高嶋ちさ子の愛器ストラディバリウス「ルーシー」の値段と秘話

高嶋ちさ子の愛器ストラディバリウス「ルーシー」の値段と秘話
高嶋ちさ子の愛器ストラディバリウス「ルーシー」の値段と秘話
演奏家・業界・雑学

テレビ番組での歯に衣着せぬ発言と、そのキャラクターからは想像できないほど繊細で美しいバイオリンの音色で、お茶の間を魅了し続ける高嶋ちさ子さん。彼女が愛用しているバイオリンが、世界最高峰の銘器「ストラディバリウス」であることはご存知でしょうか。

「家が買える値段」「高級車が何台も買える」などと噂されるその楽器ですが、実際にどれくらいの価格で、どのようなストーリーがあるのかを知る人は多くありません。実は、高嶋ちさ子さんとこのストラディバリウスとの間には、運命的な出会いと、家族の絆を感じさせる感動的なエピソードが隠されているのです。

この記事では、高嶋ちさ子さんが愛用するストラディバリウス「ルーシー」の秘密や、驚きの購入価格、そして世界中のバイオリニストが憧れるストラディバリウスという楽器の魅力について、詳しくわかりやすく解説していきます。

高嶋ちさ子が愛用するストラディバリウス「ルーシー」の正体

高嶋ちさ子さんが現在メインで使用しているバイオリンは、数あるストラディバリウスの中でも特に個性的な一台として知られています。まずは、この楽器がどのような特徴を持ち、なぜ「ルーシー」と呼ばれているのか、その正体に迫ってみましょう。

1736年製の銘器「ルーシー(Roussy)」

高嶋ちさ子さんが所有するストラディバリウスは、1736年に製作されたものです。製作者であるアントニオ・ストラディバリは1737年に亡くなっているため、この楽器は彼の最晩年に作られた作品ということになります。一般的に、ストラディバリウスの「黄金期」は1700年から1720年頃と言われていますが、晩年の作品には独特の深みと力強さがあり、専門家の間でも非常に高く評価されています。

この1736年製のストラディバリウスは、高嶋ちさ子さんの演奏スタイルに非常にマッチしており、彼女の情熱的でありながら繊細な表現を支える重要なパートナーとなっています。90歳を超えた巨匠が、その生涯の最後に到達した境地が込められた楽器だと思うと、その音色には特別な重みを感じずにはいられません。

なぜ「ルーシー」と呼ばれるのか?

ストラディバリウスには、その所有者の名前や特徴にちなんで「愛称(銘)」が付けられることが一般的です。高嶋ちさ子さんの楽器につけられた「ルーシー(Roussy)」という愛称は、かつてこの楽器を所有していたスイスの貴族、ルーシー家に由来しています。

高嶋ちさ子さん自身も、この楽器を親しみを込めて「ルーシー」と呼んでおり、まるで我が子や友人のように接しています。テレビ番組やブログなどでも頻繁に「ルーシーの機嫌が悪い」「今日はルーシーがよく歌ってくれた」といった表現をしており、単なる道具以上の存在であることがうかがえます。

歴史的な名家から受け継がれてきたこの楽器は、数々のバイオリニストの手を経て、現在は日本の高嶋ちさ子さんの元でその美しい音色を響かせているのです。

購入当時の価格と現在の驚くべき価値

皆さんが最も気になるのは、やはりその「お値段」ではないでしょうか。高嶋ちさ子さんがこのストラディバリウスを購入したのは約20年前、彼女が30代の頃でした。当時の購入価格は、およそ2億円だったと言われています。

しかし、ストラディバリウスの価値は年々上昇し続けています。投資対象としても注目されているため、現在同じクラスのストラディバリウスを購入しようとすれば、その価格は当時の数倍に跳ね上がっていると考えられます。専門家の見立てでは、現在の市場価値は6億円から、場合によっては10億円近くになっている可能性すらあると言われています。

2億円で購入したものが、時を経てそれ以上の価値を持つ資産になっているという事実は、ストラディバリウスという楽器の凄さを物語っています。

他のストラディバリウスとの違い

世界に現存するストラディバリウスは一挺ごとに異なる個性を持っていますが、高嶋ちさ子さんの「ルーシー」には際立った特徴があります。それは、購入当時は「眠れる森の美女」のような状態だったということです。

前の所有者があまり弾いていなかったためか、手に入れた当初は音が十分に開いておらず、本来の響きを取り戻すまでに大変な苦労があったそうです。高嶋ちさ子さんは、毎日懸命に弾き込むことで、眠っていた楽器を目覚めさせ、現在の輝かしい音色を作り上げました。

このように、演奏家と共に成長し、変化していく点も、「ルーシー」ならではの魅力と言えるでしょう。

2億円超え?高嶋ちさ子がストラディバリウスを手に入れた経緯

一般的に、数億円もする楽器を個人で購入することは並大抵のことではありません。高嶋ちさ子さんは、どのようにしてこの高額な楽器を手に入れる決心をしたのでしょうか。そこには、彼女らしい決断力と、家族の温かいサポートがありました。

運命的な出会いと購入の決断

高嶋ちさ子さんが「ルーシー」に出会ったのは、新しい楽器を探していた時期でした。いくつもの名器を試奏する中で、この1736年製のストラディバリウスを手にした瞬間、彼女は運命的なものを感じたといいます。

しかし、当時はすでに「ロジェリ」という素晴らしいバイオリンを所有しており、それに加えて2億円ものローンを組むことは、あまりにも大きなリスクでした。それでも、その音色の虜になった彼女は、「この楽器を逃したら、もう二度と巡り会えないかもしれない」という焦燥感に駆られたそうです。

バイオリニストにとって楽器との出会いは一期一会です。一度逃してしまえば、世界のどこかのコレクターの手に渡り、二度と弾くことができなくなる可能性もあるのです。

家を売るか?ローンを組むか?壮絶な購入劇

購入を決意したものの、資金調達は困難を極めました。当時の高嶋ちさ子さんはすでに人気バイオリニストでしたが、2億円という金額は即決できるものではありません。銀行のローン担当者に相談し、金策に走り回る日々が続きました。

最終的には、それまで愛用していた「ロジェリ」を売却し、さらに巨額のローンを組むことで購入資金を捻出しました。「家を買うか、バイオリンを買うか」という究極の選択の中で、彼女は迷わずバイオリンを選んだのです。これは、音楽家としての覚悟と、一生現役で弾き続けるという自分自身への誓いでもありました。

バイオリンのローン事情

一般的に楽器のローンは住宅ローンとは異なり、審査が厳しく金利も高くなる傾向があります。それでもプロの演奏家がローンを組むのは、良い楽器を持つことが自身のキャリアと演奏の質に直結するからです。

病気の姉の一言が後押しになった話

この大きな買い物を前にして、最後まで迷っていた高嶋ちさ子さんの背中を押したのは、ダウン症であるお姉さんの言葉でした。

高嶋さんが購入を迷っていることを家族に相談した際、お姉さんは「ちさちゃん、そんなに欲しいなら買っちゃいなよ。働いて返せばいいじゃない」といった内容の言葉をかけたそうです。いつも純粋な心で物事を見るお姉さんの、シンプルかつ力強い励ましが、高嶋さんの不安を吹き飛ばしました。

「姉が言うなら大丈夫だ」と腹を括った高嶋さんは、ついに購入を決断。このエピソードはファンの間でも有名で、高嶋家の人々の絆の深さを象徴する話として語り継がれています。

ストラディバリウスという楽器の凄さとバイオリンとしての魅力

ここでは、高嶋ちさ子さんがそこまでして手に入れたかった「ストラディバリウス」という楽器そのものの価値について、少し掘り下げてみましょう。なぜ、300年も前の古びた木の箱に、これほどの価値がつくのでしょうか。

アントニオ・ストラディバリが残した最高傑作

ストラディバリウスとは、17世紀から18世紀にかけてイタリアのクレモナで活躍した弦楽器製作の天才、アントニオ・ストラディバリ(1644-1737)が製作した楽器の総称です。彼は90歳以上まで生き、生涯現役で楽器を作り続けました。

彼の作るバイオリンは、当時の常識を覆すような音量と、遠くまで響き渡る音の「飛び」を持っていました。また、幾何学的にも完璧に近い美しいフォルムは、後のバイオリン製作のスタンダードとなり、現代に至るまでその形はほとんど変わっていません。まさにバイオリンの歴史を変えた人物なのです。

現代の技術でも再現できない音色の秘密

不思議なことに、科学技術が発達した現代においても、ストラディバリウスの音色を完全に再現することはできていません。最新のCTスキャンや化学分析をもってしても、その秘密は完全には解明されていないのです。

音色の秘密とされる説

・当時の気候変動による木材の密度変化(小氷河期説)
・防虫処理に使われた特殊なミネラル成分
・ストラディバリのみが知る秘伝のニス(塗料)の配合

これらの要素が複雑に絡み合い、300年という時が木材を乾燥・熟成させることで、あの唯一無二の音色が生まれると言われています。高嶋ちさ子さんも「現代の楽器にはない、底知れないパワーがある」と語っています。

数億円の値がつく理由とは?

価格が高騰する理由は、その「音色」だけではありません。「希少性」と「骨董的価値」が大きく関係しています。ストラディバリウスは、単なる楽器ではなく、ピカソの絵画のような「美術品」としての側面も持っています。

世界中の富豪や財団が投資目的で購入することも多く、需要に対して供給が全く追いついていません。そのため、オークションに出れば必ずと言っていいほど価格が競り上がり、数億円から十数億円という天文学的な数字になるのです。

世界に現存する本数はどれくらいなのか

アントニオ・ストラディバリが生涯で製作した楽器は、バイオリン、ビオラ、チェロなどを合わせて約1,100挺から1,300挺と言われています。しかし、長い歴史の中で紛失したり、事故で破損したりして、現在演奏可能な状態で残っているのは約600挺ほどしかありません。

そのうちの多くは博物館や財団に収蔵されており、個人のバイオリニストが所有しているケースは実はそれほど多くありません。高嶋ちさ子さんのように、個人で所有し、かつ日常的に演奏活動で使用しているというのは、世界的に見ても非常に貴重な例なのです。限られた数しかない人類の遺産を預かっているという責任感も、所有者には求められます。

高嶋ちさ子とストラディバリウスの波乱万丈なエピソード

高嶋ちさ子さんと「ルーシー」の生活は、優雅なだけではありません。繊細すぎる楽器に振り回される日々や、コンサートでの冷や汗もののトラブルなど、彼女ならではのエピソードが満載です。

コンサートでのトラブルと「ルーシー」の機嫌

ストラディバリウスは「生き物」と表現されるほど、日々のコンディションが変化します。高嶋ちさ子さんは、コンサートのリハーサルで「今日はルーシーの機嫌が悪い」と感じることもしばしばあるそうです。

ある時は、音が思うように響かず、自身の体調のせいかと思いきや、実は楽器が湿気を吸っていただけだったということも。逆に、楽器の調子が良すぎて、自分の技術以上の音が出てしまい、それに助けられたという経験も語っています。プロの現場では、この気まぐれな名器といかに折り合いをつけるかが勝負なのです。

湿気との戦い!繊細すぎる管理方法

300年前の木材で作られたバイオリンにとって、日本の高温多湿な気候は大敵です。湿気が多すぎると音がこもり、乾燥しすぎると板が割れる危険性があります。

そのため、高嶋ちさ子さんの自宅や保管場所では、24時間365日、徹底した湿度管理が行われています。特に梅雨の時期や冬場の乾燥した日は気が気ではありません。海外ツアーに行く際も、飛行機の機内湿度や現地の気候に細心の注意を払わなければなりません。2億円の楽器を持つということは、こうした絶え間ないメンテナンスのプレッシャーと戦うことでもあるのです。

テレビ番組での過激な発言と楽器への愛情

バラエティ番組などで、高嶋ちさ子さんは自身のストラディバリウスについて「家が買える」「ローンが大変」と明け透けに語ります。時には共演者に触らせたり、値段をネタに笑いを取ったりすることもありますが、これは彼女なりのサービス精神の表れでもあります。

しかし、演奏シーンになると表情は一変します。どんなにバラエティでふざけていても、楽器を構えた瞬間に見せる真剣な眼差しと、そこから奏でられる極上の音色は、彼女がどれほどこの楽器を大切にし、敬意を払っているかの証明です。言葉では面白おかしく語りますが、その根底には深い愛情と信頼関係があるのです。

「庶民的な扱い」をしてしまう高嶋ちさ子流の接し方

高嶋ちさ子さんは、ストラディバリウスを「崇め奉る」ような扱いはしません。むしろ「ガンガン弾いてこそ楽器」というスタンスを貫いています。

「ルーシー」は、1日でも弾かないとすぐに音が眠ってしまう(鳴らなくなってしまう)という特徴があるため、彼女はどれほど忙しくても毎日必ずケースから出し、音を出して振動を与えています。時には「じゃじゃ馬」のように荒っぽく弾きこなすことで、楽器のポテンシャルを最大限に引き出しているとも言えます。

飾っておくのではなく、徹底的に使い込む。これこそが、高嶋ちさ子流のストラディバリウスへの愛情表現なのかもしれません。

バイオリンファン必見!高嶋ちさ子の演奏を支える機材とこだわり

素晴らしい音楽は、バイオリン本体だけで作られるものではありません。弓、弦、そして日々のメンテナンスなど、周辺の機材へのこだわりも一流です。

弓(ボウ)にもこだわりがある?

バイオリンの世界では「バイオリン本体が喉なら、弓は肺である」と言われるほど、弓は重要な役割を果たします。実は、高嶋ちさ子さんが使っている弓も、非常に高価で希少なものです。

プロのバイオリニストが使用する弓は、フランス製のオールドボウなどが主流で、その価格は数百万円から、高いものでは1,000万円を超えることもあります。ストラディバリウスの繊細なニュアンスを引き出すためには、それに釣り合うだけの性能を持った弓が不可欠なのです。高嶋さんも、演奏する曲目や会場の響きに合わせて、最適な弓を選んでいると考えられます。

豆知識:良い弓は、木材(フェルナンブコ)の質が高く、吸い付くような操作性があり、演奏者の意図をダイレクトに弦に伝えてくれます。

弦の種類やメンテナンスの頻度

バイオリンの弦は消耗品です。高嶋ちさ子さんのようなプロの演奏家は、頻繁に弦を交換します。ストラディバリウスには、その楽器の特性に合った銘柄の弦(例えば、ドミナント、エヴァ・ピラッツィ、オリーブなど)が選ばれます。

また、弓の毛(馬の尻尾の毛)の張り替えや、楽器本体の調整(駒の位置や魂柱の調整)のために、信頼できる職人の元へ定期的に通っています。これらのランニングコストだけでも年間でかなりの額になりますが、最高の音を届けるためには決して削れない経費なのです。

普段の練習とリハーサルでの使い分け

実は、プロのバイオリニストは、リハーサルや屋外のイベントなど、環境が過酷な場所ではメインの楽器を使わないことがあります。これを「セカンド楽器」と呼びます。

しかし、高嶋ちさ子さんの場合、「ルーシー」を常に弾いていないと音が閉じてしまうという理由から、できる限りメインの楽器を弾くようにしているようです。とはいえ、極端な野外ライブや、楽器に危険が及ぶ可能性があるシチュエーションでは、リスク管理として別の楽器を使用することもあるでしょう。この使い分けの判断も、プロとしての重要なスキルの一つです。

まとめ:高嶋ちさ子とストラディバリウスの深い絆

まとめ
まとめ

高嶋ちさ子さんと愛器ストラディバリウス「ルーシー」について、その値段やエピソード、そして楽器としての魅力を解説してきました。

単に「高い楽器を持っている」というだけでなく、そこには家を売るほどの覚悟で音楽に向き合う姿勢や、家族の支え、そして300年の時を超えた名器との対話があることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

2億円で購入した「ルーシー」は、今やお金には代えられない彼女の体の一部となっています。

テレビで高嶋ちさ子さんを見かけた際は、そのトークの面白さだけでなく、ぜひ彼女が奏でるバイオリンの音色にも耳を澄ませてみてください。そこには、1736年から受け継がれてきた歴史と、高嶋ちさ子さんの情熱が詰まった、世界でたった一つの音が響いているはずです。

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