クラシック音楽の中でも、特に明るく親しみやすいメロディで知られるモーツァルトの弦楽四重奏曲第17番。この曲は、冒頭のファンファーレのような響きから「狩(かり)」という愛称で多くの人々に親しまれています。バイオリンを弾く方にとっても、いつかは弾いてみたい憧れのレパートリーの一つではないでしょうか。
この記事では、モーツァルト「狩」の聴きどころから、バイオリン奏者の視点に立った演奏のポイント、そして作曲の裏にあるハイドンとの友情エピソードまでを、やさしく丁寧に解説します。これからこの曲に取り組む方も、ただ純粋に曲を楽しみたい方も、ぜひ最後までお付き合いください。
モーツァルト「狩」と呼ばれる理由と作品の基本情報

まずは、なぜこの弦楽四重奏曲が「狩」と呼ばれているのか、そしてどのような背景で作曲されたのかという基本的な情報から見ていきましょう。愛称の由来を知ることで、楽曲のイメージがより鮮明になり、演奏や鑑賞の楽しみがぐっと深まります。
愛称「狩」の由来となった第1楽章の冒頭テーマ
この曲が「狩(The Hunt)」と呼ばれるようになった最大の理由は、第1楽章の冒頭にあります。曲が始まると同時に、第1バイオリンからチェロまでの全楽器が、和音を力強く響かせます。この「タタタ、タタタ」という6/8拍子のリズムと、変ロ長調の明るい和音の動きが、かつての貴族たちが狩猟の際に使っていた「角笛(ホルン)」の合図を連想させたのです。
実は、モーツァルト自身がこの曲に「狩」と名付けたわけではありません。この愛称は、曲が出版された後、その特徴的な冒頭部分のイメージから自然発生的に広まり、定着したものです。当時の聴衆にとっても、狩猟は身近な娯楽であり、角笛風の響きは野外の開放感や喜びを想起させるものだったのでしょう。
作品番号K.458と作曲された時期・背景
この曲の正式なタイトルは「弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調 K.458」です。「K.」はおなじみのケッヘル番号で、モーツァルトの作品目録における通し番号を指します。作曲されたのは1784年のことで、モーツァルトが故郷ザルツブルクを離れ、音楽の都ウィーンでフリーランスの音楽家として活躍していた時期にあたります。
28歳となっていたモーツァルトは、ピアニストとしても作曲家としても円熟期を迎えつつありました。生活環境の変化や、ウィーンでの新たな音楽的刺激を受け、彼の創作意欲は非常に高まっていました。この時期に書かれた作品には、単なる軽やかさだけでなく、構成の緻密さや内面的な深みが加わっているのが特徴です。
偉大な先輩ハイドンに捧げた「ハイドン・セット」
弦楽四重奏曲第17番「狩」は、単独で存在する曲ではなく、ある特別な曲集の一部です。それは、モーツァルトが敬愛する先輩作曲家フランツ・ヨーゼフ・ハイドンに捧げた全6曲からなる「ハイドン・セット(ハイドン四重奏曲集)」です。このセットは第14番から第19番までの6曲で構成されており、「狩」はその4曲目にあたります。
当時、ハイドンはすでに「弦楽四重奏の父」としての地位を確立しており、彼の作品「ロシア四重奏曲(作品33)」はモーツァルトに大きな衝撃を与えました。モーツァルトはハイドンの手法を研究し、それを自分のものにするために数年をかけてこのセットを作曲しました。つまり、「狩」は天才モーツァルトが、さらに上の高みを目指して書き上げた意欲作なのです。
現代でも愛され続ける人気の理由
「狩」は、ハイドン・セットの中でも特に演奏頻度が高く、今日でも圧倒的な人気を誇ります。その理由は、なんといってもその「分かりやすさ」と「明るさ」にあるでしょう。他のハイドン・セットの曲(例えば「不協和音」など)が実験的で緊張感を含むのに対し、「狩」は冒頭から突き抜けるような陽気さを持っています。
クラシック音楽に詳しくない人でも、一度聴けば口ずさめるようなキャッチーなメロディが多く、聴いていて元気がもらえる曲調です。また、演奏者にとっても、各楽器の役割が明確でアンサンブルの楽しさを感じやすいため、プロのアマチュアを問わず、コンサートのメインプログラムやアンコールピースとして頻繁に取り上げられています。
楽曲構成を徹底解剖!全4楽章の聴きどころ

ここでは、全4楽章それぞれの特徴と聴きどころを詳しく解説していきます。ただ漠然と聴くのではなく、各楽章の性格や役割を知ることで、物語を読むように音楽を楽しむことができます。モーツァルトが仕掛けた音楽的な工夫に注目してみましょう。
第1楽章:狩猟の角笛を思わせる快活な6/8拍子
第1楽章は「アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ」という非常に速く生き生きとしたテンポ指定がなされています。前述の通り、狩りの角笛を模したテーマで幕を開けますが、この6/8拍子というリズムが曲全体に躍動感を与えています。馬がギャロップで駆け抜けるような疾走感があり、聴き手を一気に音楽の世界へと引き込みます。
冒頭の強奏(フォルテ)の後には、ピアノ(弱奏)による繊細なフレーズが現れ、強弱のコントラストが鮮やかに描かれます。第1バイオリンが高らかに歌い上げる一方で、内声部が刻むリズムが音楽を前へ前へと推進させます。展開部では短い転調を繰り返しながら緊張感を高めますが、最後は再び冒頭の楽しいテーマが戻ってきて、爽やかに締めくくられます。
第2楽章:優雅なメヌエットと対照的なトリオ
第2楽章は「メヌエット:モデラート」です。第1楽章の熱狂から少し落ち着きを取り戻し、宮廷の舞踏会のような優雅な雰囲気が漂います。モーツァルトらしい上品で洗練されたメロディが、4つの楽器の間で会話のように受け渡されていきます。ここでは、激しさよりも「間」や「呼吸」が重要になります。
中間部の「トリオ」に入ると、音楽はさらに柔らかく、どこか懐かしい響きへと変化します。ここでは第1バイオリンだけでなく、他の楽器も美しい旋律を歌い、アンサンブルの密度が増します。トリオが終わると再び最初のメヌエットに戻りますが、一度トリオを経ることで、最初の旋律がより愛おしく感じられる構成になっています。
第3楽章:モーツァルトの深淵を覗く感動のアダージョ
「狩」という明るい愛称からは想像できないほど、深く感動的なのがこの第3楽章「アダージョ」です。ハイドン・セット全体の中でも特に美しい緩徐楽章の一つと言われています。ここでは変ロ長調から変ホ長調へと変わり、テンポもゆっくりと流れるように進みます。
第1バイオリンが奏でる息の長い旋律は、まるでオペラのアリア(独唱)のように情熱的で、時に切なさを帯びています。下の3つの楽器(第2バイオリン、ビオラ、チェロ)は、その旋律を優しく包み込むように和声を支えます。明るい曲の合間にふと見せる、モーツァルトの孤独や祈りのような感情が垣間見える、聴き手の心に深く染み入る楽章です。
第4楽章:ハイドン風のユーモア溢れるフィナーレ
フィナーレとなる第4楽章は「アレグロ・アッサイ」。再び変ロ長調に戻り、軽快でユーモアたっぷりの音楽が展開されます。この楽章は、師であるハイドンの影響を強く感じさせる構成になっており、短い動機(モチーフ)がパズルのように組み合わされながら発展していきます。
特に聴きどころなのは、民謡のような親しみやすいテーマです。どこかおどけたような表情を見せたかと思えば、突然真面目な顔をして対位法的な展開を見せるなど、聴き手を飽きさせません。最後は全楽器が一体となって、祝祭的な雰囲気の中で華やかに全曲を閉じます。聴き終わった後に「楽しかった!」と心から思えるフィナーレです。
バイオリン弾き必見!演奏のポイントと技術的難易度

バイオリンを演奏する方にとって、「狩」は技術的にも音楽的にも非常に勉強になる要素が詰まった曲です。ここでは、実際に演奏する際に注意すべきポイントや、各パートに求められる役割について解説します。楽譜を開く前の予備知識として役立ててください。
第1バイオリンに求められる技術と表現
第1バイオリンは、この曲の主役として華やかな旋律を数多く担当します。特に第1楽章や第4楽章では、ハイポジションを使った速いパッセージが登場するため、左手の確実な音程感覚と、右手の軽快なボウイング技術(スピッカートやデタシェ)が求められます。高音域でも音が痩せないよう、しっかりとした発音が必要です。
また、第3楽章のアダージョでは、長いフレーズを歌い切るための弓のコントロール力が試されます。単に音を並べるだけでなく、ビブラートの幅や速度を変化させて音色に彩りを加える表現力が重要です。リーダーとしてアンサンブル全体を牽引するテンポ感と、合図(キュー)出しの明確さも不可欠です。
第2バイオリンに求められる内声のバランス感覚
第2バイオリンは、第1バイオリンを支える伴奏役と、時には対等にメロディを歌うソリスト役の両方をこなす必要があります。特に「狩」では、第1バイオリンとの3度や6度での重奏が多く登場します。ここでは、第1バイオリンの音色や音程に寄り添い、二つの楽器が一本の太い線のように聞こえるようブレンドさせることが大切です。
また、ビオラと共にリズムを刻む場面では、テンポの土台を作る重要な役割を担います。6/8拍子の独特なノリをキープしつつ、決して重たくならないように軽さを保つのがポイントです。自分がメロディを担当する短いフレーズでは、遠慮せずに前に出て主張することで、立体的な演奏になります。
冒頭のトリルと装飾音符を軽やかに弾くコツ
第1楽章の冒頭テーマには、特徴的な「トリル」や「装飾音符」が含まれています。これが重くなったり、リズムが詰まったりすると、せっかくの「狩」の軽快さが台無しになってしまいます。コツとしては、トリルを入れる前の準備動作をリラックスさせ、弓の圧力をかけすぎないことです。
特に冒頭のテーマはユニゾン(全楽器が同じ音)や和音で始まるため、全員のタイミングと発音がピタリと揃う必要があります。装飾音符を「急いで入れる」のではなく、「拍の頭にアクセントを持ってくるための助走」として捉えると、リズムに乗りやすくなります。メトロノームを使って、装飾音符を含めたインテンポでの練習を繰り返しましょう。
アマチュア奏者が取り組む際の練習のヒント
「狩」は、モーツァルトの弦楽四重奏曲の中では比較的取り組みやすい難易度とされていますが、それでもアンサンブルをまとめるのは容易ではありません。練習の際は、まずテンポを落として、6/8拍子の「強・弱・弱、中強・弱・弱」というリズムの鼓動を全員で共有することが大切です。
また、強弱記号(フォルテとピアノ)の切り替えを大げさなくらい明確にすることもポイントです。モーツァルトの音楽は、この強弱の対比が生命線です。ピアノの箇所で音が小さくなりすぎてテンポが遅くならないよう、弓の量は減らさずに弓のスピードで音量を調節するなどの工夫が必要です。
モーツァルトとハイドンの絆が生んだ音楽史的エピソード

この曲をより深く理解するためには、モーツァルトとハイドンの関係性を知ることが欠かせません。二人の天才作曲家の間にあった尊敬と友情は、音楽史に残る美しいエピソードとして語り継がれています。「狩」を含むハイドン・セットが生まれた背景には、ドラマチックな物語がありました。
自宅での試演会と父レオポルトへの言葉
1785年、モーツァルトはウィーンの自宅にハイドンを招き、完成したばかりの弦楽四重奏曲(「狩」を含む数曲)を演奏して聴かせました。この場には、ザルツブルクから訪ねてきていたモーツァルトの父、レオポルト・モーツァルトも同席していました。
演奏を聴いたハイドンは、父レオポルトに向かって、音楽史に残る有名な言葉をかけたとされています。ハイドンほどの大作曲家が、自分よりもはるかに年下の音楽家に対して最大級の賛辞を送ったのです。この出来事は、レオポルトが娘(モーツァルトの姉)に宛てた手紙の中に詳細に記されており、事実として現代に伝わっています。
「神の御前に誓って」ハイドンが認めた天才
その手紙によると、ハイドンはレオポルトにこう言いました。
「誠実な人間として、神の御前に誓って申し上げますが、あなたの息子さんは、私が個人的に知っている、あるいは名前だけ知っている作曲家の中で、最も偉大な人物です」。
「最も偉大な人物」という言葉には、単なる才能への賞賛だけでなく、モーツァルトが持つ作曲技法や趣味の良さへの深い敬意が込められています。当時すでにヨーロッパ中で名声を博していたハイドンが、29歳の若者をこれほどまでに認めたことは、モーツァルトにとって何よりの自信となり、父レオポルトにとっても人生最高の誇りとなったことでしょう。
互いに影響を与え合った弦楽四重奏の進化
この関係は一方的なものではありませんでした。モーツァルトはハイドンの「ロシア四重奏曲」から、4つの楽器が対等に語り合う新しいスタイルを学びました。そしてモーツァルトが「ハイドン・セット」でその様式をさらに発展させると、今度はハイドンがモーツァルトの作品から刺激を受け、自身の後期の弦楽四重奏曲をより進化させていきました。
つまり、二人は師弟のような関係でありながら、互いに高め合うライバルであり、親友でもあったのです。「狩」の第4楽章に聴かれるユーモアや構成美は、まさにこの二人の魂の交流から生まれた結晶と言えるでしょう。ハイドンの精神をモーツァルトというフィルターを通して表現したのが、この作品なのです。
長い時間をかけて推敲された努力の結晶
普段、驚異的な速さで作曲を行うことで知られるモーツァルトですが、この「ハイドン・セット」に関しては例外でした。彼はハイドンへの献辞の中で、これらの曲を「長く、骨の折れる努力の結晶」と表現しています。実際、自筆譜には珍しく何度も書き直した跡や修正が残されています。
天才モーツァルトが「産みの苦しみ」を味わいながら、敬愛するハイドンに認めてもらうために全力を注いだ作品。それが「狩」なのです。その背景を知って聴くと、軽快なメロディの奥にある、一音一音に込められたモーツァルトの真剣な眼差しを感じ取ることができるはずです。
演奏会や発表会で「狩」を選ぶメリット

アマチュアの弦楽四重奏団や、音楽教室の発表会などで演奏曲を選ぶ際、「狩」は非常に優れた選択肢となります。なぜこの曲が多くの演奏家に選ばれ続けるのか、その実用的なメリットについて解説します。選曲に迷っている方はぜひ参考にしてください。
プログラムの最初にもメインにもなる万能性
「狩」の第1楽章は、その華やかな開始のおかげで、コンサートのオープニング(1曲目)として最適です。客席の空気を一瞬で明るくし、観客の心を掴むことができます。一方で、全4楽章を通して演奏すれば25分〜30分程度の大曲となるため、コンサートのメインプログラムとしても十分な聴き応えがあります。
また、抜粋して演奏する場合でも効果的です。例えば、アンコールとして第1楽章や第4楽章だけを演奏したり、しっとりとした場面で第3楽章だけを演奏したりと、シチュエーションに合わせて柔軟に使える「使い勝手の良さ」が魅力です。
聴衆にとって分かりやすく親しみやすいメロディ
演奏会において、聴衆の反応は演奏者のモチベーションに大きく影響します。「狩」は、クラシック音楽に詳しくないお客様でも「どこかで聴いたことがある」「明るくて楽しい」と感じやすい曲です。難解な現代曲や、重厚すぎる長大な曲に比べて、聴き手の集中力が途切れにくいという利点があります。
アンサンブルの基礎力を高める教材としての価値
教育的な視点から見ても、「狩」は素晴らしい教材です。4つの楽器の役割分担が明確(メロディ、伴奏、内声のリズムなど)でありながら、頻繁に役割が交代するため、アンサンブルの基礎である「聴く力」と「合わせる力」が自然と養われます。
また、ハイドン・セットの他の曲(例えば第19番「不協和音」など)に比べると、和声やリズムが比較的素直であるため、合わせる段階での挫折が少ないのもメリットです。カルテットを結成して、「これから本格的なモーツァルトに取り組みたい」というグループの最初のステップとして、これ以上ない最適な作品と言えます。
おすすめの名盤と楽譜の選び方

最後に、実際に「狩」を聴いたり演奏したりする際に役立つ、おすすめの音源(CD・録音)と楽譜の選び方について紹介します。多くの録音や版が存在するため、自分の目的に合ったものを選ぶことが、より深い理解への近道となります。
スタンダードなモダン楽器による名演
まずは現代の一般的なバイオリン(モダン楽器)で演奏された、スタンダードな名盤を聴いてみましょう。例えば「アルバン・ベルク弦楽四重奏団」や「スメタナ弦楽四重奏団」などの録音は、技術的な完璧さと豊かな表現力を兼ね備えており、お手本として最適です。
彼らの演奏からは、正確なテンポ設定や、4つの楽器のバランスの取り方、そしてダイナミクス(強弱)の幅広さを学ぶことができます。初めてこの曲を聴く場合は、こうした定評のあるカルテットの演奏から入ることで、曲の本来の姿を正しく捉えることができます。
当時の響きを再現したピリオド楽器の魅力
モーツァルトが生きていた時代の楽器や奏法を再現した「古楽器(ピリオド楽器)」による演奏もおすすめです。「モザイク・カルテット」や「クイケン弦楽四重奏団」などが有名です。モダン楽器に比べて、ガット弦特有の柔らかく素朴な音色が特徴で、「狩」の軽やかさがより際立ちます。
ノン・ビブラート(ビブラートをかけない)奏法による澄んだ和音の響きは、現代の演奏とはまた違った新鮮な感動を与えてくれます。特に第1楽章の角笛風のフレーズなどは、古楽器の方がより当時のニュアンスに近いかもしれません。表現の引き出しを増やすために、ぜひ一度聴いてみてください。
原典版と実用版の違いと楽譜選びの注意点
楽譜を購入する際は、「ベーレンライター版」などの「原典版(ウルテクスト)」を選ぶことを強くおすすめします。これは、モーツァルトの自筆譜や初版を研究し、作曲家の意図を可能な限り忠実に再現した楽譜です。余計なスラーや強弱記号が足されていないため、純粋な情報を得ることができます。
メモ:
古い「実用版」の楽譜には、後の時代の編集者が加えたボウイング(弓順)や指番号が印刷されていることがありますが、現代のスタイルとは合わない場合も多いです。原典版を使い、自分たちで相談しながらボウイングを決めていく作業こそが、弦楽四重奏の醍醐味であり、上達への近道です。
まとめ:モーツァルト「狩」で弦楽四重奏の楽しさを再発見
モーツァルトの弦楽四重奏曲第17番「狩」は、明るい角笛の響きで始まる親しみやすさと、ハイドンへの敬意が込められた深い音楽性を併せ持つ傑作です。聴く人には元気と癒しを与え、演奏する人にはアンサンブルの難しさと、それを乗り越えた時の無上の喜びを教えてくれます。
バイオリンを弾く皆さんにとって、第1バイオリンの華麗なパッセージや、第2バイオリンの絶妙なバランス感覚など、学びの要素は尽きません。ハイドンとの友情や、モーツァルトが注ぎ込んだ情熱に思いを馳せながら演奏すれば、きっと楽譜から聴こえてくる音楽がより豊かになるはずです。ぜひこの「狩」を通じて、弦楽四重奏の奥深い世界を楽しんでください。

