ストラディバリウスの所有者【日本】は誰?有名人や財団を徹底調査

ストラディバリウスの所有者【日本】は誰?有名人や財団を徹底調査
ストラディバリウスの所有者【日本】は誰?有名人や財団を徹底調査
演奏家・業界・雑学

世界最高峰のバイオリンとして名高い「ストラディバリウス」。数億円から数十億円という驚愕の価格で取引されるこの名器ですが、実は日本は世界でも有数の「ストラディバリウス保有国」であることをご存知でしょうか?

「一体誰が持っているの?」「どんなバイオリニストが弾いているの?」と気になっている方も多いはずです。この記事では、日本における個人所有者や、数多くの名器を管理する財団、そして現在その音色を奏でている演奏家たちについて、詳しくご紹介します。

私たちの身近な有名人や、意外な企業の創業者が所有しているケースもあります。知れば知るほど奥深い、日本のストラディバリウス事情を一緒に見ていきましょう。

ストラディバリウスの所有者が日本に多い理由とその背景

世界中に現存するストラディバリウスは約600挺(ちょう)といわれていますが、そのうちのかなりの数が日本に存在しています。なぜ、遠く離れた島国である日本にこれほど多くの名器が集まっているのでしょうか。

その背景には、日本の経済成長や文化的な成熟度、そして「もの」を大切にする日本人の気質が深く関係しています。まずは、日本にストラディバリウスが集まる理由を3つの視点から紐解いていきます。

バブル経済期の影響と資産価値

日本に多くのストラディバリウスが流入した大きなきっかけの一つが、1980年代後半のバブル経済です。当時、日本は世界でもトップクラスの経済力を誇り、企業や個人投資家がこぞって美術品や骨董品を収集しました。

バイオリンもその例外ではなく、投資対象として、あるいは企業の文化活動の一環として、多くのストラディバリウスが海外のオークションで競り落とされました。この時期に日本へ渡った楽器たちが、現在も国内に留まり、財団や個人のコレクションとして大切に保管されています。

また、ストラディバリウスは「絶対に価値が下がらない」と言われるほど資産価値が安定しており、不況に強い実物資産として見なされていたことも、日本人の収集熱を後押ししました。

クラシック音楽への深い愛着と敬意

経済的な理由だけでなく、日本人のクラシック音楽に対する深い愛情も無視できません。日本は世界的に見てもクラシック音楽の市場が大きく、熱心なファンが多い国です。

「世界最高の名器を日本で聴きたい」「日本人の演奏家に素晴らしい楽器を弾かせたい」というパトロン(支援者)たちの純粋な想いが、名器の収集につながっています。単なる投機目的ではなく、音楽文化への貢献を目的とした購入が多いのが日本の特徴と言えるでしょう。

この文化的な土壌があったからこそ、バブル崩壊後も楽器が散逸することなく、適切な管理下で演奏され続けているのです。

「管理・保存」に対する日本人の几帳面さ

ストラディバリウスのような300年以上前の木製楽器は、温度や湿度の変化に非常に敏感です。維持管理には莫大なコストと、細心の注意を払うメンテナンス技術が必要不可欠です。

日本人は古くから物を大切に扱い、技術を継承することに長けています。日本の弦楽器職人(ルシアー)の技術レベルは世界的に見ても非常に高く、名器を最良の状態で維持できる環境が整っています。

海外の所有者やディーラーからも「日本にあれば安心だ」と信頼されていることも、名器が日本に集まり、そして留まり続ける理由の一つとなっています。

知っておきたい豆知識

ストラディバリウスの価値は年々上昇し続けており、過去30年で価格が数倍から十数倍になったケースもあります。しかし、所有者にとっては「価格」以上に、人類の至宝を「次世代へ継承する責任」の方が重い意味を持っていることが多いのです。

日本音楽財団:世界最大級のコレクションを誇る組織

日本におけるストラディバリウスの所有者として、絶対に外せないのが「日本音楽財団(Nippon Music Foundation)」です。この財団は、個人や一般企業とは桁違いの規模で名器を保有・管理しています。

単に楽器を「展示」するのではなく、世界中で活躍するトップ・ヴァイオリニストたちに無償で貸与(レンタル)している点が最大の特徴です。ここでは、その圧倒的なコレクションの内容について解説します。

保有するストラディバリウスの数と質

日本音楽財団は、ストラディバリウスだけで約21挺を保有しています(バイオリンだけでなく、ビオラ、チェロも含む)。これは、単一の組織が持つコレクションとしては世界最大級の規模です。

しかも、ただ数が多いだけではありません。ストラディバリウスの中でも特に評価が高い「黄金期(1700年~1720年頃)」に製作された楽器を多数所有しており、その質の高さは世界中の専門家を唸らせています。

例えば、世界三大ストラディバリウスの一つに数えられる「ドルフィン(1714年製)」や、かつて伝説のバイオリニストが愛用した「ヨアヒム(1715年製)」など、教科書に載るレベルの名器がずらりと並んでいます。

世界に6セットしかない「パガニーニ・クァルテット」

日本音楽財団のコレクションの中でも、特に希少価値が高いのが「パガニーニ・クァルテット」です。これは、バイオリン2挺、ビオラ1挺、チェロ1挺の計4つの楽器のセットです。

この4挺はすべてストラディバリウスによって作られたものであり、かつて「悪魔のバイオリニスト」と呼ばれたニコロ・パガニーニが実際に所有し、演奏していたという伝説的な経歴を持っています。

世界で現存するストラディバリウスのクァルテット(四重奏セット)はわずか6組しかなく、そのうちの1組が日本にあるというのは奇跡的なことです。このセットはバラバラに貸し出されることはなく、世界的な弦楽四重奏団(カルテット)にセットのまま貸与され、その調和のとれた音色を響かせています。

伝説の「レディ・ブラント」と東日本大震災

日本音楽財団を語る上で忘れてはならないのが、「レディ・ブラント(1721年製)」というバイオリンのエピソードです。この楽器は、保存状態が極めて良く、ストラディバリウスの中でも最高ランクの評価を受けていました。

しかし、2011年に発生した東日本大震災の直後、財団はこの至宝を売りに出すことを決断しました。その目的は、売却益をすべて被災地の復興支援に寄付することでした。

オークションの結果、バイオリン史上最高額となる約127億円(当時のレートで約1,590万ドル)で落札されました。一つの楽器が、日本の復興のためにこれほど大きな役割を果たしたという事実は、音楽界だけでなく世界中で大きなニュースとなりました。

厳格な審査による楽器貸与システム

これらの名器は、誰でも借りられるわけではありません。財団には「楽器貸与委員会」が設置されており、世界中の著名な音楽家や専門家が厳正な審査を行います。

対象となるのは、国際的に活躍している演奏家や、将来を嘱望される若手有望株です。国籍は問われず、日本人だけでなく海外のスタープレイヤーたちも、日本音楽財団の楽器を使用しています。

「楽器は弾かれてこそ命が吹き込まれる」という理念のもと、博物館のガラスケースの中ではなく、カーネギーホールやサントリーホールといった檜舞台で、その音色が奏でられ続けているのです。

楽器名(愛称) 製作年 主な貸与歴(過去含む)
ドルフィン 1714年 諏訪内晶子、ヤッシャ・ハイフェッツ(過去の所有者)
ヨアヒム 1715年 レイ・チェン、庄司紗矢香
ジュピター 1722年 樫本大進、五嶋龍
ムンツ 1736年 アラベラ・美歩・シュタインバッハー

有名企業の創業家や私設コレクション

日本音楽財団のような公的な性質を持つ組織以外にも、企業の創業者やその一族が私財を投じてコレクションを形成しているケースがあります。彼らは「成功して得た富を音楽文化に還元したい」という強い志を持っています。

ここでは、特に有名な2つのコレクションと、その他の法人所有についてご紹介します。

宗次コレクション(CoCo壱番屋 創業者)

現在、日本音楽財団に次ぐ規模で注目を集めているのが「宗次(むねつぐ)コレクション」です。このコレクションを主宰しているのは、「カレーハウスCoCo壱番屋」の創業者である宗次徳二(むねつぐ とくじ)氏です。

宗次氏は経営から退いた後、クラシック音楽の支援活動に情熱を注いでいます。名古屋に「宗次ホール」を建設したほか、若手演奏家への楽器貸与を積極的に行っています。

所有するストラディバリウスは数多く、その他にもグァルネリ・デル・ジェスなどの名器を含めると30挺以上を保有していると言われています。特に有名なのは、かつて葉加瀬太郎氏に貸与されていた「ダ・ヴィンチ」や、15億円以上の価値があるといわれる「ウォルナー」などです。

宗次氏の支援の特徴は、コンクールに挑戦する10代の学生など、これから世界へ羽ばたこうとする「原石」たちにもチャンスを与えている点です。彼の支援によって才能を開花させたバイオリニストは数え切れません。

サントリー芸術財団

飲料メーカー大手のサントリーも、長年にわたり音楽文化の支援を行っています。「サントリー芸術財団」は、日本屈指のコンサートホールであるサントリーホールを運営するだけでなく、貴重な楽器の保有・貸与も行っています。

同財団が所有するストラディバリウス(1727年製など)は、チャイコフスキー国際コンクールで優勝した神尾真由子氏に貸与されたことでも知られています。企業の文化貢献活動(メセナ)の代表的な成功例と言えるでしょう。

サントリーは「水と生きる」という企業メッセージの通り、文化という土壌に水をやり、芸術を育む活動を継続的に行っています。その象徴の一つが、このストラディバリウスなのです。

その他の法人や大学による所有

上記以外にも、日本にはストラディバリウスを所有している組織がいくつか存在します。

例えば、大阪音楽大学などの音楽大学が、教育・研究用、あるいは教授陣の演奏用に保有しているケースがあります。また、大手楽器店が販売用に一時的に所有したり、私設美術館として展示・保管したりしている場合もあります。

さらに、表には出てきませんが、投資会社や資産管理会社の名義で保有されている楽器も存在すると言われています。これらは一般の目に触れる機会は少ないですが、日本の「隠れた資産」として国内に眠っています。

個人でストラディバリウスを所有する日本人有名人

法人や財団ではなく、個人でストラディバリウスを購入し、所有している有名人もいます。維持費や管理の難しさを考えると、個人の情熱だけで所有し続けるのは並大抵のことではありません。

ここでは、メディアでもよく話題になる3名の著名な日本人オーナーについて、そのエピソードとともにご紹介します。

千住真理子さんと「デュランティ」の運命

バイオリニストの千住真理子さんは、2002年にストラディバリウス「デュランティ(1716年製)」を購入しました。この楽器は、製作されてから約300年間、ほとんど誰にも弾かれることなく眠り続けていたため、保存状態が奇跡的に良い「眠れる美女」のような存在でした。

千住さんはこの楽器に出会った際、運命的な衝撃を受け、購入を決意しました。しかし、その価格は数億円(一説には数億円後半〜)とも言われ、銀行からの融資も断られたそうです。最終的には、兄弟(日本画家の千住博さん、作曲家の千住明さん)の協力や、自身の全財産、さらに借金を背負って手に入れたという壮絶なエピソードがあります。

「デュランティ」は黄金期の中でも特に製造年が良い楽器です。千住さんは、この楽器のポテンシャルを引き出すために自身の演奏スタイルを一から作り直したとも語っており、まさに人生をかけたパートナーと言えます。

高嶋ちさ子さんと愛機「ルーシー」

テレビ番組での歯に衣着せぬ発言で人気の高嶋ちさ子さんも、個人でストラディバリウスを所有しています。彼女の愛機は1736年製の「ルーシー(Roussy)」です。

購入当時の価格は約2億円と言われていますが、現在の市場価値ではさらに上がっていると考えられます。高嶋さんは番組などで、「このバイオリンのために働いている」「家のローンより高い」と冗談交じりに話すことがありますが、それは楽器への深い愛情の裏返しでもあります。

1736年製はストラディバリが90代で作った最晩年の作品です。若き日の精巧さとはまた違う、熟練の味わい深い音色が特徴とされています。高嶋さんはこの楽器と共に、クラシックをより身近にする活動を精力的に行っています。

前澤友作さんと「ハンマ」の太っ腹な貸与

ZOZO創業者であり、宇宙旅行でも話題になった実業家の前澤友作さんも、ストラディバリウスのオーナーの一人です。彼が所有するのは1717年製の「ハンマ(Hamma)」です。

前澤さんはご自身で演奏するためではなく、コレクションおよび若手支援のために購入しました。購入額は公表されていませんが、黄金期のストラディバリウスであるため、数億円から10億円クラスであることは間違いありません。

特筆すべきは、この名器を当時12歳の天才少女バイオリニスト・HIMARI(ヒマリ)さんに貸与したことです。「日本の宝を、日本の未来の宝に託す」というこのアクションは、SNS等で大きな称賛を浴びました。HIMARIさんの素晴らしい演奏を通じて、前澤さんの所有するストラディバリウスの音色は世界中に届いています。

個人の維持費はどれくらい?

ストラディバリウスを所有すると、楽器代だけでなく維持費も莫大です。保険料だけで年間数百万円かかると言われており、さらに定期的な調整代、弦の交換費用、セキュリティ費用などが必要です。個人で持ち続けるには、経済力だけでなく強い覚悟が必要です。

現在日本でストラディバリウスを演奏しているバイオリニスト

所有者が誰であれ、楽器は演奏されてこそ輝きます。現在、日本人のトップバイオリニストたちの多くが、財団や個人コレクターから貸与されたストラディバリウスを使用しています。

コンサートに行く際、「誰が弾いているか」だけでなく「どの楽器を使っているか」に注目すると、楽しみが倍増します。

諏訪内晶子さんと「ドルフィン」

チャイコフスキー国際コンクールで日本人初、かつ最年少優勝という快挙を成し遂げた諏訪内晶子さん。彼女は長年にわたり、日本音楽財団から貸与された世界三大ストラディバリウスの一つ「ドルフィン(1714年製)」を使用しています。

この楽器はその名の通り、裏板のニスがイルカのように美しく輝くことから名付けられました。かつては巨匠ヤッシャ・ハイフェッツが愛用したことでも知られる、まさに「王者の楽器」です。諏訪内さんの洗練された技術と、ドルフィンの華やかで力強い音色は、世界中の聴衆を魅了し続けています。

HIMARIさんと「ハンマ」

前述の通り、現在もっとも注目を浴びている若手バイオリニストの一人、HIMARIさん。彼女が使用しているのが、前澤友作さん所有の「ハンマ(1717年製)」です。

まだ10代前半でありながら、難関音楽大学に飛び級で合格し、世界的なコンクールでも結果を残している彼女。大人用のフルサイズのストラディバリウスを堂々と弾きこなす姿は圧巻です。楽器の持つ歴史の重みと、若き才能のエネルギーが融合した演奏は必聴です。

三浦文彰さんと「ヴィオッティ」

大河ドラマ『真田丸』のテーマ曲演奏でも知られる三浦文彰さん。彼は宗次コレクションから貸与された「ヴィオッティ(1704年製)」を使用しています。

この楽器は、ストラディバリウスの黄金期初期に作られたもので、非常に保存状態が良いことで知られています。三浦さんの力強く、かつ繊細な表現力は、この名器によってさらに引き立てられています。若手男性バイオリニストの筆頭として、この楽器と共に世界を舞台に活躍しています。

未来を担う若手たちへのサポート

その他にも、木嶋真優さん(宗次コレクションより貸与「ウォルナー」などを使用経験あり)、辻彩奈さん、成田達輝さんなど、コンクールで実績を残した多くの日本人バイオリニストが、日本にあるストラディバリウスの恩恵を受けています。

日本の貸与システムの素晴らしいところは、実績のあるベテランだけでなく、これから伸びる若手にもチャンスを与えている点です。これにより、日本のバイオリン界全体のレベルアップが図られているのです。

ストラディバリウスの値段と購入プロセス

最後に、少し下世話な話になりますが、誰もが気になる「お金」と「買い方」の話を整理しておきましょう。一般人には縁遠い世界ですが、その仕組みを知ることは興味深いものです。

なぜこれほど高額になるのか、そして実際にどうやって手に入れるのか、その裏側を少しだけ覗いてみます。

なぜ数十億円もの値段がつくのか

ストラディバリウスの価格が高騰し続ける理由は、主に「希少性」「音色」「骨董的価値」の3つです。

まず、製作者アントニオ・ストラディバリが亡くなってから約300年が経過しており、これ以上数が増えることは絶対にありません。現存する約600挺のうち、演奏可能な状態のものはさらに限られます。

次に、現代の科学技術をもってしても完全には再現できないと言われる「音色」です。遠くまで響き渡るプロジェクション(遠達性)と、演奏者の意図に応える反応の良さは、プロの演奏家にとって代えがたい武器となります。

そして、美術品としての価値です。絵画や彫刻と同様、歴史的なアンティークとしての側面があり、富裕層のポートフォリオ(資産の組み合わせ)の一部として組み込まれています。

購入は「オークション」か「ディーラー」経由

ストラディバリウスを手に入れる方法は主に2つあります。一つは、サザビーズやクリスティーズ、タリシオといった有名なオークションハウスでの競売です。「レディ・ブラント」のように公開の場で価格が決まるため、ニュースになりやすい購入方法です。

もう一つは、信頼できる高級弦楽器専門のディーラーを通じた相対取引(プライベートセール)です。実は、多くの取引はこちらの水面下で行われています。顧客の希望に合った楽器を世界中のネットワークから探し出し、交渉を行います。

日本には「日本ヴァイオリン」や「シャコンヌ」「文京楽器」など、世界的な名器を取り扱う老舗の楽器店が存在し、こうした取引の仲介やメンテナンスを行っています。

重要になる「鑑定書」と「来歴」

数億円の買い物ですから、絶対に偽物を掴むわけにはいきません。そこで重要になるのが、世界的に権威のある鑑定家による「鑑定書(Certificate)」です。

また、その楽器が過去に誰の手に渡り、誰によって演奏されてきたかという「来歴(プロヴナンス)」も価格を大きく左右します。「有名な貴族が持っていた」「巨匠〇〇が弾いていた」というストーリーは、楽器の価値をさらに高めます。

日本のコレクションにあるストラディバリウスは、こうした来歴がはっきりとした由緒正しいものが多いため、世界市場でも高い評価を得ているのです。

まとめ:ストラディバリウスの所有者は日本文化の成熟の証

まとめ
まとめ

日本におけるストラディバリウスの所有者について詳しく見てきました。要点を振り返ってみましょう。

世界最大級のコレクションを持つ「日本音楽財団」をはじめ、CoCo壱番屋創業者の「宗次コレクション」サントリー芸術財団など、日本には貴重な名器を保護・管理する強力な組織が存在します。

また、千住真理子さん高嶋ちさ子さん前澤友作さんといった個人オーナーたちの情熱も、名器が日本に留まる大きな要因となっています。

そして何より素晴らしいのは、これらの楽器がただ保管されているだけでなく、諏訪内晶子さんHIMARIさんといったトップ・バイオリニストたちの手によって、現在進行形でその音色が奏でられていることです。

日本にこれほど多くのストラディバリウスがあるということは、単なる経済力の証ではありません。それは、芸術を愛し、文化を次世代へ継承しようとする日本人の心の豊かさの表れとも言えるでしょう。コンサート会場でその音色を聴く機会があれば、ぜひ楽器が辿ってきた長い歴史と、それを支える所有者たちの想いにも耳を傾けてみてください。

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